Previous Next

椿を見に行こう

写真の椿園も本物には敵いません。本物の椿を楽しめる場所は様々で、都立大島公園椿園や静岡県伊東市小室山つばき園は椿園だけで広大で多数・多種類の椿が栽培されています。そこまで大規模ではなくても植物園や庭園、寺院でも冬季の見物に椿植えられている場所は多いです。自生・半自生の椿が有名な場所も数多くあり、そのような椿を楽しむポイントを紹介します。

時期毎の楽しみ方(1月~3月が盛期)

多くの種類で開花最盛期は1月~3月頃で、「椿まつり」も催されます。藪椿や侘助などが早めに咲き始め、花の大きい品種の多くは2月以降に盛期を迎えます。藪椿は開花期が長く「冬」なら大抵花を楽しむことができます。少々早い時期でも蕾を楽しめます(加茂本阿弥の蕾はお勧め)し、少し遅くても4月末位までは実や落ち椿を含めて十分楽しめます。

花を楽しむ(楚々とした、華やかなどちらがお好み?)

「一重」、「八重」がありそれぞれ細かく分類されます。一重には藪椿や各種侘助、加茂本阿弥などがあり、花弁と蕊の対比の妙が見所です。楚々とした佇まいは茶花に向くと思います。八重品種は大きな花の品種が多いですがその印象は様々です。春曙光や白獅子など控えめな魅力を持つものや、暁響のように「華やか」な品種など多岐にわたります。

色は紅色、深紅色、朱色、桃色、淡桃色、白色などが主です。花弁の糸状の細い柄は「絞り」、斑点状の柄は「斑入り」、縁取りは「覆輪」です。同じ木に花形や柄が異なる花が咲くことがあり「変わり枝」と呼ばれます。絞りや斑入りの品種では意外と簡単に見つけられ、これを探すのも楽しいものです。

ご当地品種を楽しむ

椿園と名の付く場所に行くとご当地品種が植えられている場合が多いです。例えば小室山公園つばき園では宝専伊豆羽衣城ケ崎紅は集められて植えられています。都立大島公園椿園でも侘助コーナーで寿侘助は産地別に(地味に)植えられています。地味な理由は「ヤブツバキこそ大島代表」なのかもしれず、園内に沢山大きな木があります。他の椿園は取材不足ですがきっとご当地品種があると思います。松江なら天倫寺月光講武侘助古代の華のように!

おまけ―椿の分類

ツバキ、サザンカ共に多くの園芸品種が作られているため、それぞれの特徴を表すために次のように分類します。

花色

単色

白斑 - 星斑、雲状斑、横杢斑

覆輪(縁取り) - 白覆輪、紅覆輪、底白

絞り(細い糸状の柄) - 吹きかけ絞り、小絞り、縦絞り、紅白絞り

花形

一重咲き - 猪口咲き、筒咲き、抱え咲き、百合咲き、ラッパ咲き、桔梗咲き、椀咲き、平開咲き

八重咲き - 唐子咲き、八重咲き、千重咲き、蓮華咲き、列弁咲き、宝珠咲き、牡丹咲き、獅子咲き

花の大きさ

極大輪(13cm~) 大輪(10~13cm) 中輪(7~10㎝) 小輪(4~7㎝) 極小輪(~4cm)

葉形

普通葉、変わり葉(反り葉、金魚葉など)

葉色

単色、覆輪(縁取り)、斑入り

品種が多いだけに覚えきれないくらい細かいですね。更に加えて品種を発表した産地を加えて区別します。(数寄屋―三河数寄屋)見て楽しむ分には覚える必要ありません。個体差がありますし花に関してはお好みで楽しめば良いのですから。