白露錦(はくろにしき)はやや黄みがかった細身の緑葉で白地に薄紅の吹きかけ・小絞りが入る江戸椿の代表的品種です。中大輪の花は最初抱え咲で満開以降は平開咲に近くなり散り始めます。比較的見かける品種のように思うのですが、手持ちの資料では生育は遅いとの記載があります。(写真 都立大島公園椿園)
比較的立性で端正な花は魅力的です。成長が遅いとの情報もあることから苗が入手できれば鉢植えに向くかと思います。下の写真の通り白地に薄紅の吹きかけ・小絞りは派手すぎず端正で鑑賞が楽しい一種です。
白露からなんとなくロシアがイメージされるのは管理者だけでしょうか?世界的にも美人が多いベラルーシという国がありますが日本で白ロシア(白露)と呼ばれていたことがありその印象が残っています。
尤もこのつばきとロシアは全く関係がありません。1800年代中頃の資料にはすでに記録されている古い品種ですが来歴は不明のようです。比較的早い時期から咲き始める江戸椿の代表的品種です。
なお早い時期に咲き始めた花は落ち椿も下の写真のように姿を残したままです。この潔さが武士の街である江戸で好まれたのかもしれません。花姿で落ちるため断首を連想されるから椿が武士に嫌われたというのは恐らく嘘です。
全木は立性で上に育ちます。一旦育つと生育は遅いので庭木に向きます。