「天が下」といえば…
「ときは今 あめが下しる 五月かな」は明智光秀が連歌会で詠んだとされる発句です。「ときは」は明智光秀の本姓である「土岐」、あめが下しるは「天下に号令する」の意味で織田信長に対する謀反を経て天下を収めようという光秀の野望が現れているとか…いないとか。非常に面白いですが、管理人としてはちょっと話が出来すぎだし謀反の予告をするほど明智光秀は迂闊な人じゃなかったと思うのです。
このエピソードは大河ドラマ「麒麟が来る」では取り上げられなかったようです。一方、「ときは今 あめが下なる 五月かな」の元の発句を後の人が謀反の事実に合わせて「天がしたしる」に挿げ替えたという説も踏まえてマンガ「へうげもの」では不敵な笑みを浮かべつつも「冗談が過ぎる」とたしなめる光秀のシーンで取り上げています。
ただこういった面白い背景を持つ歌は人気がありますし古今東西、詠われる詩や短歌の一大ジャンルを築いています。日本の短歌では大海人皇子―額田王のやり取りや、但馬皇女を偲ぶ穂積皇子の歌などが有名です。これらも出来すぎだろーって思いつつやはり魅力的です。
同様にもしツバキの「天が下」その名前が、その花姿が時々、花毎に異なってまるで野望と謀反の前に千々に乱れる明智光秀の心にあやかって、更に上の連歌の発句を踏まえて命名されていたとしたら...出来すぎだと思いつつやはり拍手なのです。