太郎冠者(たろうかじゃ) - 花
卜半(ぼくはん)の特徴

数寄屋加茂本阿弥などと並んで古典椿の代表的な品種。江戸時代から命名されており別名は月光(がっこう)。蕊が白い花弁状に変化し唐子咲になり中央に切れ込みの入った花弁が二重から三重に開く非常に個性的な姿のツバキです。木はやや横に開くものの立性(写真 小室山公園椿園)

やや小さめの中輪の花を非常に沢山咲かせます。しっかりした花なので落ち椿も美しい人気の品種です。苗の入手も比較的容易なのでお庭にお勧めの品種でもあります。

卜半(卜半)管理者コメント

卜半の名前はやや不思議ですが、大阪府貝塚市のHP(外部リンク)によると貝塚寺内の領主で願泉寺住職である「卜半」の名前に由来するとか。 この卜半(姓)さん元々本願寺の拠点になっていたお寺を1545年に引継ぎ願泉寺の名前が付けられるとともに初代住持になったそうです。 白い唐子咲の蕊の根本は赤色です。この赤色が蕊の先の方にも移っているのが紅卜伴(べにぼくはん)と呼ばれる種類です。

非常に個性的な花で唐子の白と花弁の紅色の対照が鮮烈な印象でかつ非常に多くの花をつけるので本当に目を引きます。 ツバキとしては遅めに咲く方で年が明けてそろそろ春の…というタイミングで満開を迎えます。

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「卜」の字について

辞書によると「卜」は常用漢字には含まれず人名用の漢字で占いを意味するそうです。私の知り合いにはこの字を含んだ名前の人は…いません。

有名なのは戦国時代の剣士、兵法家「塚原卜伝」でしょう。卜伝は号で由来は実家の本姓「卜部」から採られたとか。「部」は古代の職掌を表す言葉です。軍事(物)を司る物部が有名ですが、卜部は占いを司っていたのでしょう。調べてみるとやはりそうで亀の甲羅を焼いてその亀裂の形で占いをする「亀卜」を司っていました。浦部、占部等も同じ語源を持っています。

卜半椿には占い要素は全くありませんが、特徴的な名前を調べていくうち大脱線してしまいました。

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