師人(もろひと)は関西地方から持ってきたヤブツバキの変わり枝を選抜した品種で木や葉の雰囲気はヤブツバキによく似ています。最たる違いは花が「白」。花の形はやや小ぶりなヤブツバキといったところですが、白い色はヤブツバキとは明らかに違います。あまり多く出回っている品種ではないと思われ、個体差で花弁がやや紅色がかった個体もあります。(写真 都立大島公園椿園)
「師人」…ふつう読めないと思います。更に調べてみましたが意味が分かりません。何か由来があるのかもしれませんがそれも分かりません。手元資料では1970年代中ごろに神奈川で命名されたとの情報はあります。
椿園によって「もろひと」と「もろびと」二通りの呼び方をしているようですが、濁らない前者の方が正しいのではないかと思われます。諸人ではなく師人なので…。
花は中小輪の白花なので茶花にも向くと思います。
なお白侘助と比べると師人はラッパ咲きで蕊が黄色、白侘助は筒咲に近く蕊が白という違いがあります。
なにせ元々ヤブツバキですから木の雰囲気はヤブツバキと変わらないような…。これまでの取材ではヤブツバキのような大木にはあったことがありません。