春曙光(しゅんしょっこう)は濃い緑の葉を持つ木に桃色の花をつけます。 木は太くなり上の方に伸びいわゆる「木」の形に育ちます。 花弁の先の桃色が濃く、枝に近いほうが色が薄くなっているのが特徴的です。 あまり古くから知られていたわけではなく昭和初期の記録が残っているそうです。 パッと見て「きれいっ!」と感じさせる花ですが派手すぎないのも好ましいです。(写真 都立大島公園椿園)
「春は曙(あけぼの)。やうやう白くなりゆく山際(やまぎわ)、すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」は清少納言の枕草子第一段の有名な出だしです。「やうやう白くなりゆく」の件は春曙光の花弁が先の桃色から枝に向けて白くなる様子と重なります。花も美しいですがこの命名をした人物は不明ですがその慧眼も興味深いものです。ちなみに曙も古くからある椿ですが花の形も色も随分と違い、系統としては重なりません。